根強く残る悪質な労働問題
バブルが弾けた後に押し寄せた不況の波は、国内多数の企業に大きなダメージを与えました。長い不況からしばらく経つと、再興を目指して頑張る企業の間でコスト削減ブームが起こり、競うように無駄を省く取り組みがなされるようになりました。この取り組みで考え方を変えた結果大きな利益を生んだ企業もありますが、その中には労働者や労働環境までもコスト扱いして、労働者が当たり前に持つべき権利を削り取る企業も現れ始めました。
そういった会社がブラック企業と呼ばれています。会社全体がブラックでなくても、ある部署・職場だけがブラックになっている場合も多く、立場が低い労働者が劣悪な環境で働かせられているケースもあります。国も法律を変えて企業に対する刑罰を重くしたり、労働者側も団体を作って企業の告発や報告に努めていたりしていますが、環境を改善しようとしない企業・職場はまだまだ多くあります。職場環境や労働者の考え方が変わらないことがそういった問題が起こっています。
さらに卑劣な行為として、会社の上下関係を利用した女性へのセクハラが存在します。無意識のうちに女性を軽視する男性はいまだに多く、特に役職に就いているような年代に多く見られます。昔からこうしてきたんだからと本人はセクハラつもりがなくても、被害を受けた方からすればセクハラに違いはないものです。セクハラの一番の対策は、嫌がっていることをしっかりと伝えることです。悪気は無さそうだからと諦めてしまえば心の傷は増えていくばかりなので、嫌なことは嫌とはっきり相手に伝えて、お互いが快く働ける環境作りに努めましょう。